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映画「ショーシャンクの空に」の名言はなぜ心に希望を与えてくれるのか【感想レビューあり】

洋画ドラマ
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1995年に日本で公開され、当時は興行成績は全く振るわなかった映画「ショーシャンクの空に」。

アカデミー賞7部門にノミネートされた後、再上映が始まり、じわじわと口コミで評判が広がり日本だけでなく世界でも高い評価のある作品です。

今や「もう一度見てみたい名作」には必ず候補に挙がって地上波で何度も再放送されています。「ショーシャンクの空に」は冤罪の刑務所囚人の重厚なドラマですが、それ故の名言が散りばめられています。

一言一言に心に刺さるセリフを、作品の感想を考察するとともに名言ランキングとして勝手に掘り下げてみました。ご覧になって是非ご自身でも名言チェックされてみてください。

「ショーシャンクの空に」で心に響く名セリフを考察を交えてキャスト別にランキングでご紹介します。

絶望感だらけの生活の中でも諦めることなく前を向いて生きていくアンディーと、親しくなるにつれ、レッド自身も希望を持って生きようと変化していく姿に勇気を貰えます。後半からラストの伏線回収も見事。

 

作品名 ショーシャンクの空に
監督 フランク・ダラポン
原作 スティーブン・キング
公開日 1995年6月3日
上映時間 142分
キャスト ティム・ロビンス
モーガン・フリーマン
ボブ・ガントン
ウィリアム・サドラー
クランシー・ブラウン
ギル・ベローズ
ジェームズ・ホイットモア
マーク・ロルストン 他

「ショーシャンクの空に」がなぜ心に残る名言になるのか?

その理由は登場人物の見事な背景描写にありました。

 

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ショーシャンクの空にざっとあらすじ

本作は妻とその愛人を射殺した罪で冤罪とした投獄された銀行員のアンディーが、刑務所内での悪質なイジメ、所長の不正と犯罪とともに20年の囚人生活を送りながら生き方に立ち向かっていくストーリー。

後半のどんでん返しは爽やかな結末です。冤罪で服役するも出所と生きる希望を諦めず、冷静にかつ切実に前を向こうとするアンディー。同じ服役囚から、そして看守からも暴力を振るわれる生活を送ります。

そんな時、所長が服役者を刑務所外の公共事業で働かせ、民間業者から賄賂受け取ることを思いつき、お金に有能なアンディーに不正資金の運用を任せました。

他の刑務所から入所してきた若い男が高卒資格をとりたくアンディーから勉強を学ぶもアンディーの妻の事件と思われる真犯人を知っているという理由で看守に射殺させをさせるという、もはや地獄に落ちても足りないだろうという悪者ぶり。

所長の金庫番の懐刀として、そして、刑務所内の仲間との友情も深めていた中、突然アンディーは刑務所から姿を消しました。

そう、脱獄したのです。

服役当初、親友レッドに用意してもらったロックハンマー。最初は石の彫り物を作るだけのつもりだった物が、ちょっとしたきっかけで何十年もかけて脱獄用の穴を掘ることにしていったのです。

アンディーの脱獄後、刑務所内の不正が暴かれ、スタッフも変わりました。

レッドはやっと仮釈放。しかし40年ぶりの社会に馴染めず。アンディーとの「出所したら約束しよう」を思い出し、アンディーの手紙を受け取って再会を果たすところで映画は終わります。

1995年作品なのに、ティム・ロビンス、モーガンフリーマンの演技がとにかく見事。しかも脚本が素晴らしく、全く古臭さを感じないです。

ピンチをチャンスにかえた大どんでん返し。伏線の張り方と回収の仕方が見事で、作品の評価を棚上げしてくれています。

ショーシャンクの空に名言を勝手にランキング【キャスト別】

『ショーシャンクの空に』の名言集【アンディ(ティムロビンス)編】

【1位】「希望は良いもの、多分最上のものだ。そして、良いものは決して消えることがない」

冤罪を晴らして正門から出所するという希望を絶たれてしまったアンディ。

ある日突然脱獄します。そして脱獄後、以前からレッドに話していた場所に約束通り置き手紙とお金を残します。長い年月が経ってレッドが仮釈放された後、アンディとの約束を思い出したレッドは保釈規定を破りその場所へ向かいます。

その直前までのレッドの心は少しブルックスと似ていました。ただし、希望の光があったことが違っていました。

そして置手紙を開くと、中には「希望は良いもの、多分最上のものだ。そして、良いものは決して消えることがない」という文章が記されていたのです。

刑務所内でアンディーと出会ったときは希望を持つことに否定的な態度を示していたレッドに、一つの答えとして訴えかけるセリフです。

実際に諦めずに希望を持ち続けた結果、脱獄に成功したアンディだからこそ言えた言葉です。手紙を読みながらレッドは希望の言葉をかみしめる。その時のモーガンフリーマンの一瞬の表情。見ごたえ必見のシーンです。

 

【2位】「海岸の近くにホテルを開くんだ。古いボートを買って修理をし、客を乗せて釣りに出る。調達屋が必要になるだろう。」
刑務所内で調達屋としての地位を確立していたレッド(モーガン・フリーマン)は30年近く仮釈放審査に落ちていました。

想像できない期間です。そんなレッドに対してアンディが語ったのがこのセリフ。

仮釈放審査に落ち続け、外での生活をあきらめかけているレッドに対し、釈放されたらレッドの代わりの調達屋が必要になると少し冷やかし目に励ますシーンです。

アンディ自身も終身刑でいつ外に出れるかわからない中ですが、外での生活は全く諦めていませんでした。アンディーの冷静で前向きな姿勢に触れていくうち、レッドの感情、考え方も少しずつ変化を見せていき、刑務所内で図書館員にまでなっていきます。

【3位】「脳と心で聴いていた。音楽は決して人から奪うことはできない。」

刑務官の怒りをかって、真っ暗な独房に入れられてしまうアンディ。独房から出たときに仲間の囚人から独房での生活を問われると、アンディーは音楽を聴いていたと答えます。

音も何もない独房でどのように音楽を聴いていたのか不思議に思う仲間に語った時のセリフです。

刑務所内の独房であれば環境は劣悪で精神的にも参ってしまうと思います。しかし、そんなつらい環境の中でも、心の中の音楽を支えに懸命に生きていく彼の姿からは、「独房からの解放」という自分の心の希望を捨てず、諦めず耐え続ける信念の強さが垣間見えます。ラストの脱獄に向ける布石にも思えます。

【4位】「刑務所の時間はゆっくりと流れる。」

「刑務所の時間はゆっくりと流れる。」というのは、毎日同じことを繰り返す刑務所内での生活を現した言葉です。

囚人たちは毎日同じような生活の繰り返しの中で楽しみが見つけられず、欝々とした時間を過ごしていました。

そういった生活の中で刑務所生活に絶望せず生き抜いていく囚人たちの一つの知恵だったのかもしれません。

そんな刑務所に入所したアンディは、最初は囚人たちに乱暴をされたり、理不尽なことをされたりするものの、次第に少しでも毎日を充実させようと行動を起こします。

図書館の蔵書をより充実させ、囚人たちに勉強を教えて刑務所での退屈でゆっくりとした時間が有意義なものになるよう尽力するのです。

【5位】「必死に生きるか、必死に死ぬか」

アンディは自身が無実であることを証明できないがために、刑務所での生活を仕方なく受け入れていました。

しかしある日、窃盗を犯して入所したトミーがアンディの妻とその愛人を殺した真犯人を知っていると分かると、アンディはトミーを証人にして自身の冤罪を晴らそうと所長に訴えます。

しかし所長の闇金の秘密を知るアンディを出所させたくない所長は、トミーを陥れ暗殺します。

その事実を知ったアンディが放つセリフが「必死に生きるか、必死に死ぬか」だったのです。ここ言葉を聞かされたレッドは、アンディが後者の「死」を選ぶのではと不安に駆られました。

実際は真反対のことを考えているとは知らず。ここまで打ちのめされても尚、諦めなかったアンディー。このセリフは終盤になってアンディーの信念の強さを再認識できるシーンともなります。

 

【6位】「災難は誰かの頭上に舞い降りる。今回は私だった。」
アンディが自身に降りかかった災難の真実を知り、レッドに語る場面のセリフです。

「災難は誰かの頭上に舞い降りる。今回は私だった。」というのは、人生は理不尽なことが起こるのが常であり、たまたま今回自分の人生に降りかかってしまったというニュアンスのセリフです。

人には災難はつきもの。その中でどう生きていくかを考えるべきだと言い聞かせているように思えます。

投獄された当初は、アンディは周りから罪名について聞かれると「無実だ」と答えており、当時のアンディの中では「冤罪」という言葉がずっと引っかかていました。

しかしやっと冤罪という運命を受け入れ、自分の中で消化することができたゆえのセリフだったようにも聞こえます。

『ショーシャンクの空に』の名言集【レッド(モーガン・フリーマン)編】

アンディの名言とレッドが放つ名セリフと見比べてみると、よりその内容を深く感じ、脚本の素晴らしさにも改めて感心してしまいます。

アンディの名言は希望が感じられ前を向いているものが多いのに比べ、レッドの名言はどこか諦めてしまっている喪失感をにおわせるセリフが目立ちます。

白人と黒人という設定と相まって、親友である二人思考は常に対峙されているように思えます。ここではレッドによる名言集についてご紹介しますので劇中でチェックしてみてください。

【1位】「正直仮釈放などどうでもいい。」
この名言は、レッドの仮保釈についての審判をする場面で出てきます。これまで何度も審判を受けてきたものの、毎回「不可」のハンコを貰っていたレッドですが、この日初めて彼は自身の罪の意識についてはっきりと正直に述べています。

新しい所長から「更生したか?」と聞かれ、「更生ね、どういう意味だか」と語り始めたレッドは「後悔しない日などない。罪を犯したその日からだ。」と自身の本音について明かし「正直、仮釈放などどうでもいい。」という言葉で締めくくっています。

そしてついに仮釈放されることになります。

【2位】「希望は危険だぞ。希望は人を狂わせる。塀の中では禁物だ。」
『ショーシャンクの空に』では、常に「希望」がテーマにあります。このセリフは、懲罰房から戻ってきたアンディが食堂で希望について仲間たちと話しているときに、レッドがそれをたしなめるかのように発したセリフです。

長い間刑務所で生活をしてきたレッドだからこそ、刑務所内で希望を持つことの怖さを知っていたのでしょう。

どんな状況にあっても希望を持とうとするアンディと、希望に対して否定的な態度のレッドの違いがよくわかるくだりです。

映画を観るときはぜひ意識してチェックしてほしい場面の一つです。

 

【名言③】「アンディーは最初から皆と違っていた。」
劇中では、レッドが刑務所での生活を回顧する形で時折セリフが流れます。そのうちの一つがこの「アンディーは最初から皆と違っていた。」です。

アンディはその優しそうな風貌とは違い、中身は芯の通ったメンタルの強い人物、そしてその強さとは他の囚人とは一線を画していることが映画を観ていると分かってきます。

アンディたちが屋根の修復作業をしているときに、刑務官が兄からの相続による税金をどうしたらよいのか、仲間に愚痴をこぼしているのを耳にします。

そこでアンディは突如刑務官に「奥さんを愛していますか?」と問いかけ、税金をゼロにできる方法を刑務官にアドバイスするのです。刑務官に話しかけるようなことは自殺行為に等しいことが劇中では見て取れます。
続いて、その書類を作る報酬として、アンディは刑務官からレッドを始めとしたアンディの仲間にビールを渡すよう提案し、受け入れられます。

おいしそうにビールを飲む仲間を眺めながら不思議なほほえみを浮かべたアンディは、「お酒はやめたから」といい、自分は決してビールを飲もうとはしません。

屋外でビールを飲んでひとときの自由を満喫している仲間を見て、アンディも幸せを感じていたのでしょう。そんなアンディを見て、レッドはアンディはほかの囚人とどこか違うと感じるのです。そしてその違いをレッドは好ましく思っていました。

しかもこの出来事が今後のストーリーの大きな転換となるんです。

『ショーシャンクの空に』の名言集【ブルックス(ジェームズ・ホイットモア)編】

刑務所内の図書係として仕事をしていた老人ブルックスは、囚人の中でも一番の古株で、刑務所内でそれなりに安定した生活を送っていた存在です。

【1位】「私などが死んでも迷惑はかからんだろう」
老囚人のブルックスは、塀の外よりも塀の中で過ごした年月の方が長く、かねてより仮釈放を恐れていました。

レッドたちと話すことはあっても、刑務所内では基本的に一人でいることが多く、雛のときに助けたカラスのジェイクを一番の相棒としてました。

そんなブルックスはある日仮釈放が決まり、堀の外へ出ていくことになります。

釈放前にカラスのジェイクを放ち、永遠の別れを告げます。堀の外ではスーパーで袋詰めの仕事をしながらも、孤独にさいなまれたブルックスは最終的に自死を選んでしまうのです。

そのブルックスが死ぬ前に綴った手紙の中に「私などが死んでも迷惑はかからんだろう」という一文がありました。

外の世界では時代の変化や職場になじめなかったブルックスは、ジェイクのような「友」もいない状態で孤独の中亡くなったのです。

刑務所の中で彼の手紙を読んだレッドたちは彼の死を知り、アンディたちの心の中に深く刻まれたんです。

【2位】「一人より仲間がいたほうが良いよ。」
ある日アンディはそれまで担当していた洗濯係から図書係になるよう所長から命令されます。図書館での仕事はブルックス一人でも十分にできる内容なの、なぜアンディが配属されたのか2人は首をかしげます。

しかしブルックスは「一人より仲間がいた方が良いよ。」と笑みを浮かべながらつぶやき、作業を始めるのです。この時のブルックスは劇中で輝いて見えます。

アンディは所長のたくらみにより図書館に配属され、そこで刑務官たちの確定申告書作りに手を貸すことになります。アンディにとっては自身の知識を活かせるポジションということで、しばらくは刑務所内で刑務官からも頼られる穏やかな日が続きます。

全編を通して自由とは、豊かさとは何かを刑務所というやるせない絶望感しかない環境のなかでガシガシ問いかけてきます。

どの場面にも、そこにいる自分と重ねてみてしまいます。だからこそ、キャストの一言一言に重みがあり、名言になって心に刺さってくるんです。

「ショーシャンクの空に」を勝手に感想

映画は無実の罪で投獄されたアンディーを、正直で誠実な役を演じたらトムハンクスの次にハマるティム・ロビンス。

刑務所の生活の中でアンディーの親友となる終身刑レッドを、優しく影から支え、作品の質を棚上げできる役者では逸品のモーガン・フリーマンが演じます。

この映画は二人の成長を変化を観ていくドラマでもあり、白人と黒人の友情の物語ともいえます。不正と犯罪を犯し続ける刑務所所長との駆け引き、高圧的で暴力的な看守とのやりとりなど、映画作品としては人の温もりを全面に描いた「グリーン・マイル」とは正反対の作品となります。

アクションもスリラーでもない、刑務所の人間模様を深く描き込んだ心に染みる作品。見た後の余韻にどっぷりと浸れます。
https://twitter.com/Culture_ville/status/1559772088893747200

モダンホラーの帝王スティーブンキングの小説を原作にウォーキング・デッドの製作総指揮なんかもされたフランク・ダラホン監督が初メガホンをとった刑務所を舞台にした映画です。

おなじ刑務所を舞台にした映画でもグリーンマイルは全く違った感動作でした。

さて、公開当初は興行成績は振るわず、アカデミー賞で7部門にノミネートされたものの北米で2800万ドル程度でした。

ただし、主人公のティムロビンス、モーガンフリーマンの熱演は時が経っても人気があり、再上映などが増え、常にランキング上位にある本作です。この2人なくして名作にはなり得なかったでしょう。

1995年の作品ですよ。刑務所長役のボブガントン、その部下のクランシー・ブラウンの悪役っぷりも見事で、観ていて心底腹が経ちます。

全編通して語りとしても演じるモーガン・フリーマンの心地いいセリフが、吹き替え版でも名声優の池田勝さんの力もあって作品を際立出せてくれます。

監督のフランク・ダラホンさん。今作では脚本も担当されていまして、人の良さと悪さを観る人の感情をゆるーく、じわじわと揺さぶって対峙させるストーリーを書かせたら逸品ですね。

「ショーシャンクの空に」での感情表現は、主に捨ててはならない希望、諦めない光を表しています。

どん底の刑務所生活の中で、絶望があって当然なのに、アンディーは諦めない。傍らで静かに支えるレッドや他の囚人仲間との友情の描き方も見事です。

まとめ

スティーブン・キング原作ってなんでこんなに映画向きなんでしょう。
特にこの「ショーシャンクの空に」では、自由とは何か、決して諦めないこと。常に心には豊かさと学ぶ気持ちと希望を忘れないことを問いかけてくれます。
それを刑務所という社会を通して人生を比喩し、表しているような作品です。心の自由をテーマにした映画の中で「語り」というテクニックを駆使した社会派ドラマの最高傑作となりました。
是非何度もご覧になってあなた自身の名言も見つけてみてください。

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