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映画「告白」を考察!中島監督の狙いと作品の背景とは?

邦画
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映画「告白」は松たか子主演の傑作学園スリラー映画です。

中学生設定の子供が出演していますが、狂気の内容でR15指定がついてる超強力な作品です。加えて松たか子の怖くて哀しいサイコパスな演技が圧巻です。

第34回日本アカデミー賞4冠、2010年日本で公開された邦画の興行成績38.5億円の大ヒット、映画の脚本を元ネタにコミックが出たほどです。

中島監督は主演松たか子を狂気の教師として名女優に引き上げました。

中島監督は「松たか子じゃないと、できなかった映画」と断言しています。

映画「告白」を考察し、中島監督が求めたテーマと背景を解説します。

 

 

作品名 告白
監督 中島哲也
脚本 中島哲也
原作 湊かなえ
公開日 2010年6月3日
上映時間 106分
キャスト 松たか子
芦田愛菜
岡田将生
木村佳乃
橋本 愛
西井 幸人
のん(能年玲奈)
藤原薫 他

中島監督がこだわりに拘りぬいたキャスティングで、アカデミー賞授賞式には出演者が皆号泣していたという伝説的な作品です。

この仕事が終わったら評価なんていい。仕事が減っても構わないと思った役者さんもいたそうです。

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キャストとあらすじ

キャスト

松たか子、森口 悠子(もりぐち ゆうこ)
愛娘を中学生に殺された教師、娘は事故死として扱われました。少年Aと少年Bに法を犯すことなく念密な計画の上で復讐していきます。
芦田愛菜、森口 愛美(もりぐち まなみ)
森口悠子の娘、母子家庭であり、母の会議のときに少年A、少年Bに好きなキャラクターを貰います。それが電気ショックとは知らず扱ってしまい、気絶します。気を失ったところを死んだと勘違いされプールに落とされ溺死ししてしまいます。
岡田将生、寺田 良輝(てらだ よしき)
森口教師の後任で2年生の担任になります。生徒に自分をニックネームで呼ぶように求めたり、生徒の下の名前で呼ぶことを実践します。また、学校に来ない生徒の家を毎週訪ねるなど一見熱心な教師なのですが、空気が読めず空回りし、ついには職務について糾弾され休職することになります。

木村佳乃、下村 優子(下村優子)
少年Bこと下村直樹(藤原薫)の母親。典型的な教育ママで、過保護過ぎる上に神経質。終業式以来引きこもりになった息子を守ろうと奮闘します。息子は既に死んでいた愛美をプールに投げ入れただけだと信じていたが、殺意を持って生きている愛美を投げ入れたと告白され無理心中を図り、逆に息子に殺されます。
少年Bこと下村直樹(藤原薫)
部活に参加するも基本練習の毎日に嫌気がさし退部。通っても成績が上がらない塾をさぼってゲームセンターにいき、高校生に絡まれて補導されます。その時担任の森口教師が迎えにこなかったことに不信感と不満を抱いて、これまでのことが重なりゆがみ始めます。じつは同性の先生が迎えにいくという学校の規則があったとは知らずでした。森口の愛娘をプールに落として溺死させた犯人でもあります。
少年Aこと渡辺修哉(西井幸人)
成績優秀だが母親に認められたく発明品を作るが、優秀賞を受賞しても中学生殺害事件が注目されたりと思うようにいかず、注目されるには犯罪を起こさなけばならないという思考になります。森口教師の愛娘に自分の発明品である電気ショックを応用したキャラクターで気絶させ、殺害します。更には、自分をマザコンと呼んだ同級性も殺害します。

あらすじ

冒頭で新任の教師森口先生が終業式で教師を辞めることを伝えます。

そして同時に、生徒に自分の娘が殺された説明を事細かに話しはじめます。

その時間実に30分。

とある事件を引き起こすと引き換えに。

その事件以後、進級したクラスには後任の熱血教師が担任になります。真っすぐに生徒に向き合おうとしますが、どこか空気が読めない性格が否めません。

そこが引き金になって生徒が生徒の母親を殺してしまい、更には生徒が同級生を殺す事件までも起きてしまいます。

母親に捨てられたと錯覚した生徒はすべてに絶望し、学校中が集まる場で爆弾を爆発させようとします。しかし、森口教師はそこをも読んでいました。

・・

復讐。人の恐ろしさ。少年犯罪の見方をえぐっています。

Rー15指定でも、15歳になったら観てほしいくらい内容の深い作品ですね。

映画「告白」の背景と中島哲也監督の狙いを考察

アカデミー賞監督、中島哲也は映画「告白」で何を狙ったのか


映像を全面に出して、映画にするというとんでもないことをしたら天下一品の中島哲也監督。

「下妻物語」や「パコと魔法の絵本」でその本領を発揮していました。

そんな中島監督が原作小説に最大の敬意を払って一切のあでやかさを封印したのが本作の「告白」です。

求めたのは観終わった後にたくさんの重さを残すこと。重さを求めかつ、人間であること、主人公のサイコパスな女教師森口を節々に感情を宿したい。

そんな演技ができるのは。中島監督が選んだのは主演のたか子でした。

キャスティングには常に〇〇でなくてはならない役者を念頭に選びました。

息子を殺人犯に育ててしまった教育ママな木村佳乃さんも、KYな空振り熱血教師の岡田将生さんも、監督に求められた役をやり切った役者さんです。

中島監督が関わった作品は以下の通り(一部を抜粋)

作品名 公開日 内容
下妻物語 2004年 監督・脚本
ヘアスタイル 2005年 企画・プロデュース
嫌われ松子の一生 2006年 監督・脚本
パコと魔法の絵本 2008年 監督・脚本
ララピポ 2009年 監督・脚本
告白 2010年 監督・脚本
渇き。 2014年 監督・脚本
来る 2018年 監督・脚本

映画「告白」は第34回日本アカデミー賞内容最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞を受賞。第53回ブルーリボン賞作品賞・助演女優賞を受賞しました。

この年は他作品として、悪人、孤高のメス、十三人の刺客、 最優秀アニメーション作品賞に借りぐらしのアリエッティなど凄い作品ばかりです。

この年の作品は名作、ヒット作、佳作の年でしたね。

湊かなえさんの原作内容はえぐいです。本作の主なテーマは復讐と少年犯罪で、実際少年Aや少年Bという表現も使われています。

映画版になると松たか子さんは圧倒的な存在感を放っています。しかも、中島哲也監督の脚本は上記の通り第34回日本アカデミー賞4部門の中で最優秀脚本賞をとったほどです。

中島哲也監督は兼任した脚本段階から完璧なストーリーと絵柄につよくこだわっていました。

結果、松たか子の表情と声量で本作では唯一無二の女優となりました。また、おどろおどろしい湊かなえ作品にどっぷり浸ってしまえる人にはさらに評価が高いでしょう。

湊かなえ作品は衝撃的な内容が多いです。

観る人を選ぶ作品ですが、観て損はしない作品ともいえます。

予告編をみたら、苦手かどうかが大体わかりますよ。

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映画「告白」は松たか子である必要があった?

何年かに一回は松たか子という熱が来ます。

歌舞伎の名門松本家の末っ子で、お兄さんは松本幸四郎、はとこに市川海老蔵という華麗なる一族。

ドラマなら「ロングバケーション」「ラブジェネレーション」「HERO」だったり、舞台「ハムレット(1995年、1998年)」「オケピ!(2000年)」「ミスサイゴン(2004年)」「メタルマクベス(2006年)」だったり。

 

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映画は本作「告白」「マスカーレードホテル(2019年)」だったり、歌手としてアルバムも出してたり、「アナと雪の女王」でアカデミー賞授賞式に歌唱としてでてます。

かわいいだけじゃなく、強い面を出せて、頑固で憎めず、松たか子であり、役名でもある印象に残って、共演者を喰いすぎない。

そんな底力がなければ、木村拓哉や田村正和や角田晃広と調和がとれる仕事はできないでしょう。

「告白」では目で語り掛けれる。

中島監督が一声かけると、それに合わせてガラッと演技を変えられる。何テイクやってリクエストしても、しっかりその期待通りに演じわけができるんです。

色んな森口悠子を引き出して、作品にあった主人公を作り上げていく。しかも湊かなえの原作イメージを壊さなず、映画を観た人に重く残るキャラクターに仕上げてくれる。

松たか子をキャスティングしてよかったと、中島監督を唸らせた理由だったんです。

 

 

 

まとめ

第33回日本アカデミー賞総なめの「告白」は少年犯罪の問題をテーマにしつつ、母親への愛、人間の狂気を絶叫ではなく、スリラー的に106分ぶっ通しで魅せてくれます。

作ってしまったら結果R-15作品になってしまったような衝撃的な内容ですが、原作の魅力を損なわず、しっかり娯楽作品としても魅せてくれます。

ミステリーでありサイコスリラー映画として逸品。

アカデミー賞受賞は伊達じゃないです。是非ご覧ください。

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