インド映画ボリウッドの傑作青春ドタバタコメディ「きっと、うまくいく」のご紹介です。
超学歴社会なインドの最高工学科大学に通う同じ寮室3人組。その親友同士が文字通りドタバタで送る学生生を通して教育や学歴、社会問題について触れていく本作。
ほかの映画紹介ブログにも記載されている通り、インド映画史の興行成績歴代ナンバー1記録を樹立。スティーブンスピルバーグ、ブラッドピット、ビルゲイツからも絶賛され、日本でもメガヒットを記録しました。
170分という長尺を飽きさせない脚本、インドならではの音楽、盛り上げて、笑わせて、泣かせて、休憩させて、青春コメディならではの名言を散りばめています。
傑作インド映画「きっと、うまくいく」の名言をあらすじや感想と一緒にご紹介します。傑作すぎて名言が多めです。ただし、映画大国インドの興行成績歴代1位。必見の作品です。
作品名 | きっと、うまくいく |
監督 | ラージクマール・ヒラーニ |
公開日 | 2013年5月18日 |
上映時間 | 171分(2時間51分) |
キャスト | アーミル・カーン シャルマン・ジョーシー R・マドハヴァン カリーナ・カプール他 |
2009年のインド映画「きっと、うまくいく」はインドで歴代協業記録1位、インドアカデミー賞16部門受賞という映画大国インドで大記録を打ち立てた作品です。
日本では4年ほど後の2013年に公開されて、青春真っ盛りの大学生3人のハチャメチャな友情コメディーが大うけしメガヒットしました。
インド映画のヒットには9つの特徴といわれる「ナヴァ・ラサ」の感情が織り込まれているといわれます。「きっと、うまくいく」はこの9つの感情がバランスよくすべて詰まってるんです。ちなみにその感情とは恋愛(シュリンガー)笑い(ハースヤ)、悲しみ(カルナ)、怒り(ラウドラ)、勇敢(ヴィーラ)、恐怖(バヤナカ)、嫌悪(ビーバッア)、驚き(アドゥブタ)、平穏(シャーンタ)と言われています。
インドでヒットする作品にこの9つの要素が入っているとはいえないようですが、「きっと、うまくいく」には見事にすべてが詰まってます。
いやー実に面白い。ハマらないと一生ハマらないかもしれないのがインド映画かと思います。ただ、この「きっと、うまくいく」はおバカな3人組がど真ん中の青春街道を突っ走っていくので、日本でもヒットする要素満載なんですね。
3時間近い(171分)長尺にもかかわらず全然飽きず、バーンと盛り上げて、一休みおいて、またバーンと盛り上がってもっと見ていたくなるとさえ思わせてくれます。おそらく超学歴社会であるインド社会の諸問題は、多少誇大な表現はなされているものの、おおよそ違わないでしょう。
3人の友情と視点を通して描かれる「教育とは?」「学歴社会とは?」と普遍的なテーマでぐいぐい引っ張ってくれる映画です。
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きっと、うまくいくのあらすじ
作品中のインド理系の最高峰大学ICE工大時代の大親友ファルファーンとラージュはランチョー、ラジュー、ファルファーンの3バカトリオは大学卒業後10年ランチョーと音信不通でした。
その音信不通だったランチョーがみつかったと謎の知らせが入り、ファルファーンがラジューと一緒にランチョーに会いに行こうとするところから始まります。
大学入学でランチョーと出会う学生時代のシーンと、ラジューと一緒に車中で大学時代の思い出を振り返りながらハチャメチャな道中の現在シーンを行ったり来たり、二つの時系列を同時に進行するロードムービーの中で、だんだんと伏線が繋がっていいきます。
入学してからの学長との対峙は卒業までずっと続きます。嫌みでいけ好かない、でもどこか憎み切れない同級生は学生時代から現在まで軋轢があります。インド映画の特徴であるダンスと音楽シーンはキャラクターの心情を効果的に表しているので、違和感なくストーリーが進められます。
そして登場人物が一定数に定まっていて、各キャラクターに焦点をあててポイントで感情移入できるような脚本になっていてラストにはすべてを回収してくれます。
きっと、うまくいくの名言をかってにランキング
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●ランチョーの名言1
「自分がなりたいものは心が教えてくれる。臆病になった時は胸に手をかざしてこの言葉を言うんだ。『Aal Izz Well!』(きっとうまくいく!)」
映画タイトルにもなっている『きっと、うまくいく』は、ランチョーの「座右の銘」です。次第に、三人の心を落ち着かせてくれる魔法の合言葉となりました。
ランチョーのモットーだったフレーズを仲間であるファルハーンやラージューに言い聞かせていきます。
●ランチョーの名言2
「宇宙でペンが使えないなら、なぜ鉛筆を使わないのです?安いのに。」
入学早々、学長をねじ伏せた若者の素朴な疑問。
ただし、このセリフに学長ヴァイラスは後でしっかり答えます。
●ヴァイラスの名言1
「カッコーは自ら巣を作らない。他の鳥の巣に卵を忍ばせるんだ。ヒナが生まれる時に彼らが初めてやることが分かるか?他の鳥の卵を蹴落とすのだ。それで競争は終わり。カッコーの人生は殺しで始まる。戦うか、死ぬか。それが自然というものだ。」
厳しい競争社会に関する名言は、インドの教育制度に関して放たれた名言です。
社会問題になりつつある「教育制度」問題は、ヴァイラスが明確に教えてくれています。
●ランチョーの名言3
「家族がいくら反対しようが、収入が少なかろうが、好きなことをしなければ幸せにはなれない。」
「君は機械ではなく動物と写真を愛している。だから成績が上がらない。今すぐ動物カメラマンになるべくアクションを起こすべきだ!」
とファルハーンに諭したランチョーの言葉。
●ランチョーの名言4
「君は臆病すぎる。どんなに愛していても臆病で、神頼みで、不安だらけではうまくはいかない。」
「じゃあ機械をこんなに愛し、工科大にいる僕の成績順位が上がらないのは何故なんだ?」と聞かれもう一人の親友ラージューに応えた名言
●ランチョーの名言5
「工学を教えようとしたわけじゃない。教え方を教えただけです。」
学長に成績だけじゃない授業ができるならしてみろと言われた時のランチョーの授業内容
●ランチョーの名言6
「成功を求めて勉強してはいけない。成功の背中を決して追うな。美徳に従えば成功は自ずとついてくるものだ。」
●ランチョーの名言7
「工学を辞めて動物の写真家になれよ。才能を無駄にするべきじゃない。もしプロの歌手の父親が子供にクリケット選手になるように説得していたら?もしプロのクリケット選手の父親が子供に歌手になるよう説得していたら?彼らはどうなっていたと思う?僕が言っていることが分かるか?動物が好きなのになぜ機械と結婚するんだ。」
夢を追う大切さを説いた名言です。親のいいなりになるのではなく、自分の好きな道をしっかりと歩んでいく大切さを教えてくれます。
●ファルハーンの名言1
「もし写真家になったらきっと稼ぎは少なくなる。そうだろ?家や車も小さくなるだろう。でも、父さん。僕はそれで幸せ、本当に幸せなんだよ。何をするにせよ心は満たされるのだから。」
●ラージューの名言1
「痛い思いをして学んだんです。そぐわなかったのなら仕方ないです。」
会社の面接を受けた時のセリフ。就職の面接を受け、学長の部屋から飛び降りて全身マヒ状態から目を覚ましたばかりのラージューの姿を見た面接官が事情を聞きます。ラージューは、自殺未遂や成績が悪い理由(プレッシャーから神に頼るようになったこと)を正直に語ったあと面接官に「プロが欲しい。正直さを隠せるなら採用する」と問われ「隠すことはできない。」と答えます。面接官に対するラージューの言葉。面接会場から去ろうとするラージューだったが、その相手の言葉全てに迎合しない姿が逆に気に入られ、採用されました。
この時のラージュ役シャルマン・ジョシの演技が素晴らしく必見です。
●ラージューの名言2
「悪党め、いくつウソをつく気だ?」
ランチョーが大怪我で無反応になった親友のためにお姉さんが結婚すると嘘をついた時、意識のなかったラージューが回復して初めて発した奇跡の言葉です。
●ヴァイラスの名言2
「いいさ、なりたいものになればいい!」
停電し、十分な設備もない中、「うまーくいく」の掛け声の中で生まれてきた孫に初めて叫んだ言葉です。
エンジニアでも医者でもなく、「サッカー選手でもなんでもいい!なりたいものになれ!」
これまでの伏線をこの一言で見事に感動させました。
きっと、うまくいくの感想
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目がギラギラしていて、ミュージカル映画でもないのに踊りが沢山、インド映画が食わず嫌いで見ていない方も、是非ご覧ください。
バラエティー番組で傑作すばらしい映画おすすめ特集みたいなコーナーで絶賛されていて、怖いもの見たさにVODでみたら、これが実に面白い。
コメディーなのに泣ける、ワクワクする、感動する。エリートになってお金を稼ぐようになるためには、エリート大学に進学しエンジニアになる必要がある。
そんなゴールが人生の成功。
ではなく、家族や友人とよい関係を築いて心から分かり合える親友やファミリーを大切にすること。そこに労を惜しまず、自分を高めていくことこそ大切である!と人生の宝を見直させてくれます。
主人公ランチョーはとっても大切なことに気づかせてくれる人間でした。日本でも「きっと、うまくいく」がメガヒットしたということは、日本でも共感する人たちが沢山いたということがよくわかります。
社会問題を題材にして、誰にでもありえるテーマが共感を得たんですね。
私も何度もなんども見て、何度もなんども感動で涙しました。またこの作品には、絶対悪がいないです。学長がマイペースで自分の意思を曲げないランチョーをとにかく敵視して、心底腹が立つ悪役を終始担ってますが、終盤はそのランチョーに助けられ改心します。
またストーリーの軸になるライバルのサイレンサーもどこか憎めないキャラで一貫しています。ドラえもんのジャイアンやスネ夫のような存在ですね。
各界の著名人が絶賛
各界の著名人がこぞって納得の大絶賛をしていますのでご紹介しておきます。
●ブラットピット 「心が震えた作品だった」
●ビルゲイツ 「主演のアミールカーンにぜひ会ってみたい」
ビルゲイツ氏は、なんと実際にお会いになったそうです。
きっと、うまくいくのタイトルの由来
「きっと、うまくいく」の原題は「3idiots」。「idiots」は「ばか」のこと。つまり「3idiots」は「3バカ」という意味です。
型破りで自由人、学長に嫌われまくっているランチョー、機械より実は動物の写真を撮ることが好きなファルファーン、すべてを神頼みにするラージュの3人のことを指すと考えられます。
ところが邦題の「きっと、うまくいく」は作品中終始主人公の一人ランチョーが自分のモットーであり口癖にしている言葉「Aal Izz Well」からとなっています。
ラストシーンにも関わるこの「Aal Izz Well」はイギリス統治、つまり植民地時代にインドで夜警団が街中の見回りをしている時の言葉です。
正式には「All Is Well」といっていました。邦題だけではぴんとこないかと思いますが、本作を鑑賞すると「この邦題でよかったんだ!」ときっと思われるでしょう。メインテーマでも流れるBGMは、それくらい作中にとって非常に大切な言葉になっています。
「きっと、うまくいく」の日本版予告がひどかったの?
「きっと、うまくいく」は最高に感動するドタバタコメディー映画です。
ただし、最初に日本語版予告編は見たら観たい気が失せそうな内容です。
実際のストーリー、演者さん、日本語吹き替えに関しては声優さん、音楽、どれも最高の傑作です。日本語版予告を見ても、(見るのやーめた。。。)とならず、映画ファンならば鑑賞を強くお勧めします。
まとめ
おバカでハートフルな男たちのドタバタ友情物語。今回はそんな「きっと、うまくいく」の名言を中心にご紹介しました。170分(2時間50分)ある長編も細かい伏線とアップダウンあるストーリーで繰り返し見れる作品です。
ジャンルははっきりコメディー映画です。アップダウンの効いたストーリーと音楽で、ボリウッドコメディーの傑作です。
「きっと、うまくいく」をもう一回みると、人生において教育や学ぶ意味と友情を見直すことができるかもしれません。
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