「今夜ロマンス劇場で」は10代から60代まで実に幅広い映画ファンを虜にした大ヒットしたラブファンタジー邦画です。
目の前にずっと憧れていたお姫様が突然現れたら?
ノスタルジックな世界とレトロな色彩、どこかで見た昔映画の風景とファッションに魅了されます。
監督の映画愛に満ちたロマンティックな純愛ストーリーを堪能させてくれるステキな作品です。そんな「今夜ロマンス劇場でを」ネタバレなしで紹介!オマージュされた映画への愛を語ってみます。
完全オリジナルストーリーで色彩豊かにギュッとくる純愛物語を魅せてくれます。
作品名 | 今夜ロマンス劇場で |
監督 | 武内 英樹 |
公開日 | 2018年2月10日 |
上映時間 | 109分 |
キャスト | 綾瀬はるか 坂口健太郎 本田翼 北村一輝 加藤剛 中尾明慶石橋杏奈 西岡徳馬 柄本明 他 |
「今夜ロマンス劇場で」のあらすじ
いつか映画監督になることが夢の青年が、通い詰めている映画館で一人の素敵な女性と出会います。なんと彼女は青年がずっと憧れていた映画の中のお姫様でした。
映画の中の世界だけしかしらなかったお姫様が外の世界を知り触れていきます。
お姫様に振り回される青年、人情あふれる人々の人間模様が昭和感満載のノスタルジックな風景の中で進行します。そして、次第に惹かれあう二人。レトロな雰囲気とドタバタでピュアなラブロマンスが展開される中、お姫様に秘密があるがゆえのラストシーンは必涙です。
「今夜ロマンス劇場で」はどのような映画なの?
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— 美女集め (@saitou888a) August 1, 2022
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綾瀬はるか演じる映画の中から飛び出してきたお姫様が、映画監督を夢見る純朴な青年坂口健太郎と恋に落ちていくというド定番なファンタジックラブストーリーです。
ど定番ながら10代から60代まで幅広い映画ファンが視聴しており人々の記憶に残る作品になりました。その理由はいくつかあり、小ネタをあげていくと以下ようになります。
●ドラマ「信長協奏曲」でテンポの良いストーリーを描いた脚本家宇山佳佑による完全オリジナルストーリー
●シェネルが本作のために書き下ろした主題歌BGM「奇跡」の聞き心地のよさ
●日本映画界唯一無二のチャーミングかつキュートという言葉がぴったりの綾瀬はるか
●かわいらしさと聡明さと、誠実さを演じたら他に類のない坂口健太郎
●公開から4か月後に死去し遺作となった加藤剛の抜群の存在感
●W主演の豪華キャストとバランスのよい配役
などちょっとピックアップしてもこんな感じです。
なかでもはやり、綾瀬はるかと坂口健太郎の絶妙な演技が、武内英樹監督の独特のフィルムカラーに非常にマッチしています。ここまでピュアな役が似合うカップル俳優はいないでしょう。
人を思いやる心、忘れかけていたものを思いださせてくれます。
また絶妙な配役と作品を成り立たせる条件が揃っています。
「今夜ロマンス劇場で」はなぜ大ヒットしたのか?
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お転婆なお姫様が
綾瀬はるかはこういう役ハマリますね。
本作も一重に綾瀬はるかという唯一無二の女優にしかできない役です。
嫌味のない存在感に抜群のスタイル、整った顔に大きな瞳。作風の美しいドレスを着たお転婆キャラなお嬢様にギャップがあるのに違和感がないキャラは綾瀬はるかでないと映画の成功は不可能だったでしょう。
「信長協奏曲」の柴咲コウを思い出します。
まじめな青年と
映画を一途に愛する青年を坂口健太郎が好演してくれています。純朴でとにかく映画が好き。映画館で大事そうにフィルムを見つめるシーンを見るだけでも伝わってきます。
その目は綾瀬はるか演じるお姫様を見つめる視線と一緒なんです。
実際に閉館した劇場を改装して撮影した映画館内で一人ひたすらフィルム映画を飽きずに観続けれる青年はまさしく坂口健太郎のはまり役です。
見事な配役
北村一輝演じる超ナルシストな大スターが非常に「濃く」吹っ切って役に入ってます。おそらく北村一輝さんご自身はどの役をやられても超真面目にお仕事として演じるだけで、このような役が似合ってしまうでしょう。映画館の館長役の柄本明、同僚の中尾明慶、坂口健太郎を想う映画会社社長令嬢に本田翼、とどの配役も見事にハマってます。
鮮やかな色合い
主人公が劇中で着ている衣装が実に見事で、ファッションやヘアスタイルに見とれてしまいます。
そして背景に使われる色も見事。
映画館まもちろん、雨のシーンですら色鮮やかに映えます。昭和の邦画黄金世代に見事にハマっていて、その中で綾瀬はるかさんのあの笑顔とファッションの着こなしで、映画を観ている人を至福の時間にどんどん引き込んでくれます。
主題歌が逸品
シンガーシェネルが本作のために書き下ろした主題歌「奇跡」が逸品です。お互い惹かれあって、ただただ一緒にいたいというまっすぐな気持ちがズドンと伝わる切ないメロディーです。武内英樹監督の鮮やかな映像にエモーショナルな彩を添えてくれます。
監督の映画愛とオマージュされた作品をいくつか挙げてみる
古い電話ボックス、昔ながらの写真館、雨に濡れた木々や虹が出てくるシーン、レンガ風の建物に古びた看板、深紅バラの花園の中でヒロインがはしゃぐ公園、ノスタルジックなロケ地の数々は全て日本国中を探してまわった本物です。
ロマンス劇場そのものも、閉館された栃木の旧映画館足利東映プラザで撮影されました。
9年間企画を温めてきた映画プロデューサー稲葉直人氏のこだわりを隅々まで感じます。どのような小ネタが散りばめられているのでしょうか。オマージュされたであろう作品をいくつか挙げてみました。
●ニュー・シネマ・パラダイス
作品冒頭からの設定は映画館に通いつめる少年・トトと、映写技師アルフレードの交流シーンのオマージュです。
●キートンの探偵学入門
映写技師の主人公バスターが女性に一途に恋する設定
●ローマの休日
王女アンが、偶然出会ったジャーナリストの男と恋に落ちる設定を引用
●オズの魔法使い
劇中劇「お転婆姫と三獣士」のお姫様美雪が手下の狸たちと共に怪獣と戦うなど困難を乗り越えていくシーンは、「オズの魔法使い」から少女・ドロシーが旅の途中、カカシ、ブリキの木こり、ライオンに会い成長していくロードムービーからきています
●日活のガイシリーズ
北村一輝演じる大スター・俊藤龍之介の作中の描写は、1960年代に一世を風靡した昭和の大スタータフガイ石原裕次郎、マイトガイの小林旭へのオマージュです。
雲の上の人だった当時の実際の映画スターの華やかな生活ぶりはおそらくそのまま描いているでしょう。
●また逢う日まで
健司と美雪のガラス越しのキスシーンは記憶に残る名シーンです。1950年公開の日本映画「また逢う日まで」に登場しました。
戦争という時代の波に引き裂かれてしまう三郎と蛍子が窓越しに交わすキスシーンは、日本映画史に輝く名シーンです。武内英樹監督はこの名シーンを「今夜、ロマンス劇場で」の中に美しく取り入れています。
まとめ
綾瀬はるか、坂口健太郎W主演の映画オリジナル作品を脚本、監督、主題歌、配役、すべてを完璧にし、映画愛をふんだんに詰め込んだことで、全世代の映画ファンを惹きつけました。
「例え触れ合うことすらできなくても好きであること、人を愛すること、相手を思いやり大切にすることになんら変わりはない。」
言葉にするととんでもなくキザであり得ないことですけれど、綾瀬はるか、坂口健太郎が演じると涙腺崩壊の名作になりました。
ノスタルジックでレトロな世界観と昭和設定の中で実現した切ないファンタジーラブストーリーに浸りきってください。
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