映画ETは1982年に公開され、今なお世界中で愛され続けているSFファンタジーの傑作です。
「これはぼくと、ぼくのトモダチのおはなし」というキャッチフレーズ通り、シンプルなストーリーでグッとくる。
今なお「見るべき映画」として語られる映画「E.T.」のあらすじと作品の考察をネタバレなしで解説します。
何度見ても感涙する映画「E.T.」はなぜこんなにも愛されるのか?テーマや小ネタを盛り込みネタバレなしでご紹介します
作品名 | ET |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
公開日 | 1982年12月4日 |
上映時間 | 115分 |
キャスト | ディー・ウォーレス、ヘンリー・トーマス、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア 他 |
E.T.映画のあらすじ
とある夜に地球に降りた宇宙船と宇宙人。ひっそりと地球の植物を採取しているときに突然、彼らを捜索する調査隊の人間たちが現れました。
必死に逃げたのち、一人はぐれた仲間を残して地球から飛び去ってしまいます。逃げそびれた彼と出会ったのは、一人の優しい少年でした。
彼を守るため壮大な冒険と、ドラマが始まるのでした。友情、冒険、ファンタジー、優しさに満ちた作品です。
スピルバーグのテーマとは
ETの問いかけるメッセージは少年の成長、友情、宇宙、未知の世界、大人のずるさ、奇跡。
スピルバーグの宇宙への想いがふんだんに込められています。スピルバーグは孤独だった少年時代に思いを馳せていたのかもしれません。
主人公は10歳の少年。冒険活劇のなか、サスペンスやユーモア、別れといったアクセントのあるストーリーで飽きさせません。大人たちを出し抜く逃亡シーンは思わず応援したくなります。
映画E.T.はなぜ傑作となったのか
傑作となった背景は本当にたくさんあります。その中であえて3つほどポイントを挙げると
●純粋な少年たちが守ろうとする優しさと正義
●ジョンウィリアムズの素晴らしい音楽
でしょうか。
E.T.の小ネタ
E.T.の名前は?
ETはExtra-Terrestrialの略です。「宇宙人」や「地球圏外の存在」という意味があり、少年が頭文字をとってETと名付けました。
10歳の少年が地球外生命体の存在の意味する言葉の略語を使うという、スピルバーグ監督のセンスが一品です。この雑学は宇宙人という人類史上最も難解な定義を、映画史に残る名作の中で最もインスピレーションに残る形で人々の記憶に残されました。
考え抜かれたスピルバーグの撮影
スピルバーグの撮影は脚本から完璧で、クリーチャーに至ってはこわもてだけど可愛いという一見矛盾したキャラクターを見事に再現しました。
アニマトロニクス担当のカルロ・ランバルディなくしてはETの成功はなかったでしょう。このキャラクターだからバトルシーンがなくても映画として成立したんですよね。
スピルバーグに声援と拍手を生涯送りたいですね。
劇中の自転車
映画を未見の人でも知っているだろう劇中の自転車。空を飛ぶシーンは映画ETの象徴ともいえます。少年たちが乗っていた自転車BMXは当時大流行。これ実はすべて日本製だったんです。
スピルバーグが撮影に使う自転車を探して近所の子供に使っているメーカーを聞いたそうです。かつ、日本パーツのクオリティーの高さに注目したユニバーサル会社が自転車のオファーをしたという逸話があります。
ETを考察してみる
今の劇場作品は上映の数か月後にはDVD化され、場合によってはVOD配信サービスでもっと早く自宅鑑賞できます。
早い配信やDVD化は自宅でじっくり見直したいファンにはありがたいこと。ただし、このETは劇場公開からソフト化まで6年間かかりました。
今や有名すぎて映画ファンで知らない人はなく、世代でない人にとっても、ポスターやワンシーンを一度は観たことがあるでしょう
。宇宙人との交流を通して地球人の孤独な少年が成長していく。スピルバーグの少年時代と映画とを重ね、監督自身が思い描いていた宇宙へのオマージュをふんだんに取り入れたこと、外観と声と特殊能力。
実に愛嬌あるキャラクターを作り上げたことで映画史に残る大ヒット作品になりました。心温まるドラマとテンポの良い脚本と演出が「何度でも見てみたい」気持ちを沸き立たせてくれます。
まとめ
スピルバーグの少年時代が投影されたともいえるE.T.。少年視点を軸にしたSFファンタジー映画というそれまで類を見ない作品です。
敢えて演技経験のない子役をオーディションし、キャラクターによっては「悲鳴」だけで抜擢しました。
なので多くのショットが大人たちを見上げるような撮影と描き方。そしてスピルバーグの初期作品に多かった「父親の不在」がストーリをより切なくさせ親子の情愛を際立たせます。
SF映画史に残る名作を是非ご覧ください。
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